研究課題
平成21年度は前年度に引き続き線維筋痛症患者群と正常コントロール群に対して^<99m>Tc-ECDを用いたPatlakプロット法に基づいた測定法にて脳血流シンチグラフィー(SPECT)を施行し、データ収集を行った。データ解析には前年度の自動ROI解析プログラム:FineSRTに加え、全世界的に用いられているSPM解析を加え検討を行った。これまで線維筋痛症のSPECT研究の報告はわずかであり、一貫した結果は得られていない。今回FineSRTとSPM解析を行い、さらに薬物治療効果を含めた臨床症状との相関解析を行い、今まで注目されていなかった新たな領域の関与を示唆する結果を得ており、現在論文を投稿中である。これは線維筋痛症の病態解明に重要な結果であり、今後は症例数を増やし、PETなどの別の脳画像を用いてさらに検討していく予定である。痛みを伴った糖尿病性神経障害、帯状疱疹後疼痛、などの他の慢性疼痛患者群については現在データを収集課程であり、引き続きこれら疾患のデータを収集し、治療効果を含めて解析していく予定である。また線維筋痛症患者および他の慢性疼痛患者に対し、SPECTと同時に、痔痛スケール、ピッツバーグ睡眠質問票、エップワース眠気尺度を用いて、痛みと睡眠状態の評価をおこなっており、疼痛に対する治療前後での脳機能画像所見と睡眠状態の変化に関するデータ収集を行なっており、今後はデータ解析し有意義な結果を示す予定である。
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