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2008 年度 実績報告書

抗腫瘍細胞性セスタテルペノイド(+)-ophiobolin Aの不斉全合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 19890231
研究機関早稲田大学

研究代表者

野口 直義  早稲田大学, 理工学術院, 助手 (70454048)

キーワード選択的合成・反応 / 不斉合成 / 有機化学 / 合成化学
研究概要

(+)-ophiobolin A(1)は1958年、植物病原菌Ophiobolus miyabeanusの培養液から単離されたセスタテルペノイドであり、有用な生物活性に加え、多くの不斉炭素を含む特異な4環式骨格を有していることから、合成上非常に興味深い化合物である。研究代表者はこれまでにA環、CD環部の不斉合成および両者のカップリング、その後の変換により1の有する全ての不斉中心を構築することに成功している。そこで本年度は、全合成において最後の鍵となる、一般的に構築困難とされる八員環部の効率的な構築法の開発を最重要課題と位置付け、研究を行った。
これまでに合成した全ての不斉中心を有する中間体から数工程の変換を経て閉環メタセシス、還元的カップリング、アシルラジカルを用いた環化反応前駆体をそれぞれ合成し検討を行ったが目的の環化体を得るには至らなかった。この結果を踏まえ、分子モデリングによる考察を行ったところ、反応点が存在するC6位側鎖と同じα面に配向するC5位2級水酸基の保護基である嵩高いTBDPS基の立体障害により反応面が遮蔽され、そのために環化反応が進行しないことが予想された。そこで、保護基を嵩の小さいMOM基へと変換し、再度還元的カップリング、アシルラジカルを用いた環化反応を行ったところ両環化反応とも所望の環化体を得るには至らなかったものの、還元的カップリングにおいてはTBDPS基で保護した基質とは異なり、反応点近傍に存在するスルホニル基の除去が確認され、保護基による立体障害が反応点に影響を与えていることが示唆された。そこでMOM基で保護された閉環メタセシス前駆体を合成し、Hoveyda-Grubbs触媒で処理したところ、良好な収率にて環化体が得られ、1が構造上の特徴とする、C14位オキサスピロ環を含む5-8-5員環が縮環した4環式骨格の構築に世界で初めて成功した。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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