本年度の目標が(1)慢性疲労症候群患者、(2)外科手術時の疲労患者、(3)運動疲労負荷、(4)本学附属病院矯正科外来患者のヒト唾液を採取し、唾液疲労マーカー探索のためにプロテオソーム解析による慢性疲労特異的蛋白の同定を行い、ヒト唾液由来慢性疲労症候群たんぱくの簡易検出系のプレート開発を行うことである。昨年の動物実験で行った、各種慢性疲労負荷条件((1)強制水泳疲労モデル、(2)運動疲労モデル、(3)絶食疲労モデル)によって、コントロール群のラットと慢性疲労負荷条件のラット群と比較して、両者で2倍以上発現に差異のあったたんぱく質は28種類あり、新規の蛋白の発現が10種類あることが明らかになった。 現在、(1)慢性疲労症候群患者、(2)外科手術時の疲労患者、(3)運動疲労負荷、(4)本学附属病院矯正科外来患者のヒト唾液のサンプル数が不足しておりサンプリング最中である。 しかしながら、動物実験で行った新規たんぱく質10種類は、本学内に設置されているモノクローナル抗体研究所において抗体の作成中である。また、2倍以上発現に差異のあったたんぱく質に関しても既知の蛋白に関しては抗体の動物種の検討や抗体価による検出感度を検討している。市販の抗体が使用可能であればそれを応用するが、それが不可能な場合はやはりモノクローナル抗体研究所において抗体を作成する予定である。
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