破骨細胞に分化することが知られている細胞株RAW264を用いて破骨細胞分化因子であるsRANKLを添加することによって細胞の接着・運動に関わることが知られている細胞内シグナル伝達分子の検討を行った。その結果、sRANKL刺激によりFocal adhesion kinase(FAK)がリン酸化されることが明らかとなった。さらにRAW264にフィブロネクチンによる細胞接着刺激を加えると、FAKの397番目のチロシンがリン酸化され、さらに共刺激としてsRANKLを加えるとFAKの861番目のチロシンがリン酸化されることが明らかとなった。FAKのロスオブファンクションの影響を検討するためにBLOCK-iT Pol II miR RNAi ExpressionシステムによるFAKのサイレンシングを行った。FAKのサイレンシングでは破骨細胞分化の抑制はみられなかった。以上の結果からsRANKL刺激により破骨細胞分化とは別に細胞接着および運動に関わる分子が活性化されることが明らかとなった。
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