研究概要 |
わが国では,訪問看護師により,在宅で介護をして看取り終えた後の遺族に遺族訪問が行われている。遺族が健やかな生活を維持向上できるような遺族訪問における訪問看護師の役割を検討するため、本研究の目的を、訪問看護師から遺族訪問を受けた遺族がそれをどのようにとらえているか、その思いを明らかにすること,とした。 実際に遺族訪問を受けた遺族の視点からそのときの状況や思いを明らかにするために、記述的探索的デザインを用い、平成19年度は、以下の方法で研究を進めた。 1.日本赤十字広島看護大学倫理委員会の承認を得た後、1月〜3月にかけて、研究対象者を選定するためにA県内の訪問看護ステーション4ケ所へ研究協力を呼びかけ、随時研究対象者より協力の承諾を得た。 2.承諾が得られた対象者から、あらかじめ作成しておいたインタビューガイドに基づき順次半構成的面接を行った。 3.対象者に録音の了承を得てMDに録音した面接内容を,すべて研究者自身により逐語録に起こした。データが得られた順に対象者の言葉をコード化し分析した。分析にあたっては,感性を高めるため,関連学会の主催する学術集会に参加し情報を収集するとともに,研究者自身が解釈したことに恣意的な判断が含まれてないか,いきなり抽象的な表現になってないかなどの視点で地域看護学の専門家よりスーパーバイズを受けた。 平成19年3月時点では,14家族16名の研究対象者のデータを得て,データをコード化している段階である。 平成20年度には新たに1名追加して面接を行う。また,分析過程でさらなる情報が必要と判断された場合は,了承が得られた対象者に追加面接も予定しており,継続してデータをコード化するとともに,それらをカテゴリー化し,関係を整理しながらまとめ,考察していく計画である。
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