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2008 年度 実績報告書

免疫機能正常マウスを用いたデング出血熱発症モデルの開発及び発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19890279
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

大松 勉  国立感染症研究所, ウイルス第一部, 研究員 (60455392)

キーワード2型デングウイルス / マーモセット / NS4B / NS5
研究概要

免疫機能正常マウスはデングウイルスに対する感受性は低く、デング出血熱患者より分離したウイルス株を用いた接種実験においてもウイルス血症およびデング出血熱用症状は認められていなかった。この結果は、ヒトとマウスの間でデングウイルスに対する増殖・発症抑制機構に何らかの種差が存在し、マウス体内ではウイルス増殖因子の抑制が起きているためだと考えられた。これを明らかにすることによりデング出血熱の発症モデルの構築を試みると共に、それを用いて発症気所の解明を行うのが本研究の目的である。本年度は、免疫機能正常動物として新たに新世界ザルに属するマーモセットに対して、デング熱およびデング出血熱患者より分離した1型から4型までのウイルス株を接種しその感受性等について検索した。その結果、特に2型デングウイルスに対してマーモセットは他動物種に比べて高い感受性を有することが明らかになった。さらに、マーモセット体内で増殖した2型デングウイルスを分離し遺伝子解析を行った結果、非構造タンパク質であるNS4BおよびNS5をコードする領域に1ヵ所ずつ、アミノ酸の変異を伴うpoint mutationが認められた。この変異は、分離した全てのウイルス株で認められたことから、デングウイルスがヒトと新世界ザルとの間にある種差を超えるのに関与する変異である可能性が示唆された。今後、マーモセットを中心として免疫機能正常動物におけるデング出血熱発症モデルの構築を進め、それを用いて発症機序を明らかにして行きたい。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Direct experimental occlusion of the distal middle cerebral artery induces high reproducibility of brain ischemia in mice2009

    • 著者名/発表者名
      Kuraoka M., et al.
    • 雑誌名

      Experimental Animals 58

      ページ: 19-29

    • 査読あり
  • [雑誌論文] デング熱2009

    • 著者名/発表者名
      大松勉, ら
    • 雑誌名

      診断と治療 97

      ページ: 551-555

  • [雑誌論文] Induction and Sequencing of Rousette bat interferon alpha and beta genes2008

    • 著者名/発表者名
      Omatsu T, et al.
    • 雑誌名

      Veterinary Immunology Immunopathology 124

      ページ: 169-176

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Epidemiology and experimental infection of Yokose virus in bats2008

    • 著者名/発表者名
      Watanabe S., et al.
    • 雑誌名

      Comparative Immunology, Microbiology and Infectious Diseases (掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 翼手目の Toll-like receptor (TLR) 3,7,9のcDNA塩基配列解析および臓器別mRNA発現量の解析2009

    • 著者名/発表者名
      伊波興一朗, ら
    • 学会等名
      第147回日本獣医学会
    • 発表場所
      栃木県宇都宮市
    • 年月日
      2009-04-02
  • [学会発表] マーモセットを用いたデングウイルス感染モデルの構築2008

    • 著者名/発表者名
      大松勉, ら
    • 学会等名
      第56回日本ウイルス学会
    • 発表場所
      岡山市
    • 年月日
      2008-10-28
  • [学会発表] コウモリCYP1Aの特性2008

    • 著者名/発表者名
      上田直也, ら
    • 学会等名
      第146回日本獣医学会
    • 発表場所
      宮崎大学
    • 年月日
      2008-09-24
  • [学会発表] フィリピンのコウモリにおけるアルボウイルス暴露について2008

    • 著者名/発表者名
      大松勉, ら
    • 学会等名
      第43回日本脳炎ウイルス生態学研究会
    • 発表場所
      香川県観音寺市
    • 年月日
      2008-05-31

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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