研究課題/領域番号 |
19900004
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加茂 具樹 慶應義塾大学, 総合政策学部, 准教授 (30365499)
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研究分担者 |
北岡 伸一 東京大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80120880)
家近 亮子 敬愛大学, 国際学部, 准教授 (10306392)
加藤 陽子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (90218321)
川島 真 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90301861)
服部 龍二 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (80292712)
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キーワード | 日中関係 / 歴史認識 / 日中歴史共同研究 / 対日賠償 / 南京大虐殺 |
研究概要 |
2007年は1937年7月の盧溝橋事変および12月の南京事件から70周年という節目の年にあたる。こうした記念の年には、中国で歴史問題に関するイヴェントやメディア宣伝が盛んになり、反日感情が高まるのが通例である。しかし、中国政府は2005年4月の反日デモ以降、それが大規模な反政府デモに発展することを恐れ、対日関係の改善を企図してきた。日中両国間で戦略的互恵関係の構築が合意され、日中歴史共同研究も開始されたことは、そうした中国の意向も背景にあったといえよう。日中関係は現在、近年来きわめて稀な「凪」の状態にあり、日中歴史認識問題にとっては、初めて対話が可能な環境を作り上げることが可能になったと言える。しかし、この「凪」は、2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博を前にして、国内の政治運動と直結する日本との歴史問題へのガバナンスを得ようとする中国の意図に基づくものであり、長期的に継続することは想像しがたい。我々は、この稀なる時期を好機ととらえ、日中間の歴史研究に必要な環境を構築することを喫緊の課題とする。 以上の認識にもとづき本年度は、昨年度におこなった資料収集および予備調査をふまえ、研究成果をとりまとめた。厦門大学人文学院、浙江大学人文学院蒋介石與近現代中国研究中心、スタンフォード大学フーバー研究所において国際研究交流会を開催したほか、本研究プロジェクトの研究総括として国際シンポジウム(国際シンポジウム「日中歴史研究者フォーラム」)を開催した。
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