1.海外現地調査a.中国吉林省・内蒙古自治区・北京市吉林省吉林市郊外にある阿什哈達磨崖石刻を調査した。内蒙古自治区青藍旗では元の上都址を調査した。北京市では金代・元代の遺跡を調査した。b.ロシア連邦サハリン州北部サハリン北部のノグリキ、ティモフスコエ、アレクサンドロフスクの博物館を訪問して、中世遺跡出土資料を調査した。 2.研究フォーラムの開催2007年10月27日(土)に函館市産学官交流プラザにおいて、公開の研究フォーラム「ヌルガン永寧寺と北東アジアの交流」を開催した。一般市民には関心の薄いテーマだったにも拘らず、35名の参加者があり、また会場には北海道新聞社、函館新聞社の記者が取材に来て、翌日の朝刊に大きく報道された。このフォーラムの開催に先立って、函館市中央図書館から、ついに「奴児干永寧寺碑」の碑文の拓本が発見された。このフォーラムでその拓本が初めて公開された。 3.研究成果の刊行5ケ年にわたる研究成果として、2冊の本を財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構の出版助成を得て、2008年2月末に刊行した。第一はヌルガ永寧寺遺跡の発掘報告書の翻訳であり、A.R.アルテーミエフ著、菊池俊彦・中村和之監修、垣内あと訳『ヌルガン永寧寺遺跡と碑文一15世紀の北東アジアとアイヌ民族-』(発行菊池俊彦、製作北海道大学出版会)として刊行され、これは4月10日に市販本が北海道大学出版会から発売される。第二は2005年11月12日に北海道大学で開催した国際シンポジウム「ヌルカン永寧寺碑文と中世の東北アジア」の成果を公開するものであり、菊池俊彦・中村和之編『中世の北東アジアとアイヌ-奴児干永寧寺碑文とアイヌの北方世界-』(発行中村和之、製作高志書院)として刊行され、これは3月25日に市販本が高志書院から発売された。
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