研究課題/領域番号 |
19900105
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊木 俊朗 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (20282543)
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研究分担者 |
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70169184)
高橋 健 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教 (20451776)
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キーワード | 考古学 / サハリン / 中世 / 遺跡データベース |
研究概要 |
1.既存資料の整理とデジタル化 サハリンの遺跡・考古資料に関する最も重要な基礎文献である『サハリン南部の遺跡』・『サハリン南部の考古資料』(両書とも新岡武彦・宇田川洋著、北海道出版企画センター刊)のデータを用いて、データベースの骨格を構築した。具体的には、FileMaker Pro8を使用してテキスト情報の項目化と入力を行うとともに、地図と遺物図版を画像化してデータベース中に取り込んだ。両書のデータベース化及びその公開については、著者の一人である宇田川が協力すると共に、発行者である北海道出版企画センターの許諾を得た。 2.サハリン中世遺跡の現地調査 中世遺跡に関する新たなデータを追加するために、かつて「馬群潭土城」が存在していた場所として有名なウスチプガチョボУсть-Пугачево(浜馬群潭)の遺跡群を中心に現地で資料調査を行った。概要は以下のとおり。 1)馬群潭土城については、戦前の伊東信雄の報告のとおり、所在の痕跡は確認できなかった。 2)プガチェフカ川р.Пугачёвка(馬群潭川)南岸において存在が知られていた竪穴群遺跡(プガチョボПугачево-32遺跡)は、ワシレフスキーらによって1992年に測量が実施されており、146基の凹みが確認されている。凹みの大多数は方形を呈し、一辺が5〜10m程度の規模のものが多い。 3)プガチェフカ川北岸に確認されていた竪穴群(プガチョボ25遺跡)について、32基の凹みを確認し、うち27基を今回初めて測量した。凹みは一辺6〜8mの方形のものが多く、他に長方形、六角形様のものも存在した。4)両竪穴群の時期については発掘を行っていないため不明とせざるを得ない。採集できた遺物も少ないが、過去の例とあわせて採集遺物は全て鈴谷式期以後のものであった。
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