研究課題/領域番号 |
19900111
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
新納 泉 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (20172611)
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研究分担者 |
久野 修義 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (20144305)
今津 勝紀 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (20269971)
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キーワード | 絵図 / 地理情報システム / 古代 / 中世 / 額田寺伽藍並条里図 / 備中国賀陽郡服部郷図 / 条里制 / プログラム開発 |
研究概要 |
1古代の土地利用の状況がわかる「額田寺伽藍並条里図」と、中世の「備中国賀陽郡服部郷図」の現地比定がすでに完了しているため、古代から中世にかけての土地利用の変化および条里制の変化について集中的に検討を実施した。 2当該地域における現在の用水の体系を詳細に検討することと、地理情報システムを用いた河川流路の復元などを通じて、古代から中世にかけて灌瀧システムに飛躍的な発達があることを確認できた。また、条里制の実施にあたっても、そうした灌潮システムの発達に即した形で運用の変化が生じていることを明らかにした。 3服部郷図の新しい現地比定にもとづいて、既存の発掘調査の成果について再検討を行った。また、郷図を理解する上で重要な意味をもつ総社市御所遺跡の発掘調査成果について、詳細な時期の検討などを行った。 4地理情報システムを利用した空間復元について、古代戸籍の残る「美濃国賀茂郡半布里」や二つの絵図の地域について解析を行い、イギリスのヨーク地域との比較も実施した。同一縮尺における地形の対比や、イギリス中世のドゥームズデイブックによる集落分布と比較し、歴史的景観の著しい違いを示した。 5絵図などに示された比較的狭い範囲の地形について解析しシミュレーションを実施するには、現状の数値地図のデータでは不十分であることがわかってきたので、フリーの地理情報システムソフトウェアであるGRASSを用いてデータの補間を行うことを試み、一定の成果が得られた。しかし、こうした目的にはより詳細な数値標高データが必要あることが明らかになった。 6研究成果について、『地理情報システムを用いた歴史的地域景観復元のための技術的検討』と題した報告書を刊行した。ここには、これまでに開発を行ってきた、GISmapやDrawGrid、ShadeViewのプログラムのマニュアルも含まれている。
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