研究概要 |
本年度は,ロシア極東,中国東北,モンゴルにおける中世遺跡GIS用のデータの収集・整理を進め,主要データのデジタル化を終了した。また,城郭遺跡のデータ修正と作図を行い,データ化した。その他に,中世の行政区画,官印データベースを,GISデータに変換し,遺跡データ,城郭図面との併用を可能にした。以上の情報は,各国の協力機関にも配布し,情報の共有化を図った。中国契丹時代金石文データの収集・整理を継続し,墓誌データベースを完成させた。官印データベースは,汎用地図データベースであるグローバルベースでのネット公開も行い,広く閲覧を可能にしている。 生産研究としてモンゴルの鉄工房址調査と試料分析による鉄生産の解明,ロシアにおける家畜・種実試料の分析からの農耕・家畜飼養の実態等の解明を進めた。また,SBAS補正などの新たな手法を用いて,大規模遺跡の調査の,精度向上や作業の迅速化について改良を試み,良好な結果を得た。 ロシアシャイガ城址のCG復元作業を進めた。今年度は,未調査部分の現地観察からの推定,家屋・礎石建物の同時代試料からの推定,防御施設の文献・絵図からの復元,絵図からの人物の描写などをCG化し全体を完成させた 最終年度における研究成果の取りまとめのため,分担者・協力者。海外協力者らによる全体会議を行い各自の成果の発表と,質疑応答を行い,中世都市遺跡に関する,生産・流通,政治制度,都市経営,宗教施設の意義などについて検討した。同時に会議資料集を刊行した。 中世総合資料学研究会シンポジウムの開催・運営に協力し,同時に研究発表を行った。また,研究成果の概要ををHPにて公開した。さらにデータベース等のHPにおける公開の準備を進めた。また,研究成果のとりまとめを受けた成果報告書を刊行した。さらに雑誌『アジア遊学』北東アジアの中世考古学特集号を企画し,研究成果を公開した。
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