研究課題/領域番号 |
19900124
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)元興寺仏教民族資料研究所 |
研究代表者 |
狭川 真一 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30321946)
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研究分担者 |
藤沢 典彦 大阪大谷大学, 文学部, 教授 (80100030)
桃崎 裕輔 福岡大学, 人文学部, 准教授 (60323218)
佐藤 亜聖 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (40321947)
角南 聡一郎 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50321948)
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研究期間 (年度) |
2007
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キーワード | 中世 / 墳墓 / 葬送墓制 / 考古学 |
研究概要 |
中世墓資料集成は、「北海道編」と「補遺編」を刊行して完結した。それを受けて、北海道で地域研究会を実施し、北海道だけでなく、東北とロシア東部の様相についても検討を重ねた。また、秋には全国大会を実施し、各地から代表者を集め、各地域の様相を整理した成果を発表いただいた。成果は、中世墓の成立と展開(火葬受容の背景)、屋敷墓の分布状況、中世墓の終焉と石塔のあり方等に問題点を絞って整理報告を行なった。 中世墓の成立では、群集する墳墓のあり方が問題となり、そこでの火葬の受容とあわせて、地域において共通性が見い出されただけでなく、東西日本における違いも浮き彫りになった。特に受容した時期差の問題は、土器・陶磁器編年の問題、考古学の時間設定の問題とあわせて、今後も周辺領域を含めながら検討を重ねる必要があろう。屋敷墓の問題も同様であり、東西日本で受容形態の異なった様相が目に付いた。特に東北では受容が遅くなる点が注意された。中世墓の終焉の課題では、概ね16世紀代にあることは一致しているが、その年代の決め手となる、小型の石塔や板碑の年代観とそれらと墳墓との関係が明確でなく、研究の遅れが露見した。中世後期の墳墓の様相を知ることは、当時の社会を映し出す有効な情報と考えられることから、今後はこの時期の墳墓と石塔の関係を追及する必要性が強く感じられた。 なお、収集した資料は、膨大なデジタル情報として蓄積されている。この情報はすでに印刷媒体では公開を行なっているが、今後の追加と改訂を考えると、公開型のデータベースとして活用する必要性を痛感するものである。
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