研究課題/領域番号 |
19F01084
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮下 直 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50182019)
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研究分担者 |
EVANS MALDWYN 東京大学, 農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-10-11 – 2022-03-31
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キーワード | 生態系サービス / 都市 / 送粉機能 / 分解機能 / 昆虫 / テキスト解析 / 野外実験 |
研究実績の概要 |
都市緑地が、分解という生態系サービスにどう関わっているかを明らかにするため、昆虫による分解過程の栄養循環に注目し、さまざまな程度で都市化が進んだ緑地で、分解機能に関わる昆虫群を調べるための調査地の選定と、調査を実施するための地元自治体および市民グループと調整を進めた。 具体的には、次のような課題を設定した。(1)森の分解者としての役割を持つ昆虫の多様性と、森の大きさや配置のあいだにはどのような関係があるか? (2)森の大きさや配置によって、分解者の機能がどう変化するか。 調査対象として、当初、東京都の農地周辺の森林も含めたたちで調整を進めたが、調査の許可を得ることが 難しいことが分かったため、より協力体制の整っている、神奈川県横浜市を中心に野外調査の準備を進めた。すなわち、横浜市内にある40か所以上の市民の森などの保護区の中から、22か所の候補地を選定し、横浜市およびそれぞれの市民の森で活動するボランティアグループに説明を行ない、了承を得た。この選定基準は、森林パッチ面積の大きい森から小さい森までできるだけ偏らないようにし、かつ、北部から南部まで、それぞれの位置の中にできるだけさまざまなサイズの森林パッチが含まれるように選んだ。 これら野外調査地の選定と準備作業に平行して、都市生態系サービスに関わるこれまでの世界中の論文を対象に、どのような地域のどうのような対象にし、どういった課題が解明されているかを明らかにするためのテキスト解析を、約2万7千本の文献を対象に行なった。その結果、昆虫を対象にした送受粉系機能、水質浄化などの物質循環機能、そして害虫の個体数管理機能などが明確に示されていることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、選定した調査地を対象に予備調査と予備実験を2-3月に実施する予定であった。しかし、COVID-19の感染拡大にともない、調査候補地への立ち入りが困難になり、止むを得ず予備調査・実験を延期した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、地元横浜市と連絡をとりつつ、可能な範囲で野外調査と野外実験を実施する。野外調査では、それぞれの森林パッチ内に、昆虫群集を調べるためのピットホールトラップおよび、それらの昆虫による分解速度を測定するための実験装置を2か所ずつ設置し、10日-14日間、毎日調査を行なう作業を、2-4回実施する。分解装置は、ネズミやカラスなど脊椎動物が入れないようにした網カゴの中に、ビスケットやソーセージなどの食物を入れ、その減少速度を1-2日置きに目視、重量の計測によって行なう。可能であれば、8月の夏季からおよそ2か月から3か月おきに実施する。 また、COVID-19による野外調査の実行が極端にできない場合に備え、この2-3月に実施したテキスト解析をさらに発展させた解析も実施する
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