研究課題/領域番号 |
19F18411
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
日比野 浩 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70314317)
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研究分担者 |
MADHURANTAKAM SASYA 新潟大学, 医歯学系, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | ダイヤモンドセンサ / 導電性ダイヤモンド / てんかん / 電気化学 / 薬物動態 |
研究実績の概要 |
神経伝達物質のグルタミン酸は、神経活動に伴った情報伝達において、非常に重要な役割を担っている。また、脳神経疾患に伴って、この物質の異常な分泌の増加や低下が生じることが知られている。よって、これらをリアルタイムに測定することを可能とするセンサは、てんかんなどの脳神経疾患の病態理解や、その治療方法の開発に大きく貢献することが期待される。よって本研究では、グルタミン酸特異的な酵素であるL-グルタミン酸オキシダーゼを活用した、針状グルタミン酸センサの開発に取り組んだ。先ずは、本センサの基盤となる、L-グルタミン酸オキシダーゼをセンサ電極表面に固定する方法を検討した。これにより、PBS溶液中のグルタミン酸に反応し電流応答を示す、センサ電極の表面への酵素修飾法を見出した。この表面修飾法を施したガラス状カーボン電極を用いて、脳脊髄液中のグルタミン酸濃度(~10 μM)に相当する、1-10 μMのグルタミン酸を溶解したPBS溶液中で測定すると、濃度依存的な応答を示した。このことから、本センサ修飾法は、脳内のグルタミン酸濃度変化を追従できる可能性が示唆された。しかしながら、この手法の開発に時間がかかり、小さな針状センサの開発は、今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
針状グルタミン酸センサの開発と、頭部「埋込型」システムの開発を計画していたが、グルタミン酸センサの開発が遅れており、「埋込型」システムを開発するまでには、至っていない。我々の予想に反して、針状のグルタミン酸センサの基盤となる、グルタミン酸特異的な反応システムをセンサ電極表面に付加する研究開発は、非常に困難であり、開発に時間がかかっている。しかしながら、最近、異なるグルタミン酸濃度のPBS溶液に対して、濃度依存的に応答するセンサ基盤技術を見出しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
最近見出したグルタミン酸センサ技術を応用し、針状のグルタミン酸センサ開発を進める。これを早期に実現し、これまでの研究の遅れを取り戻す予定である。さらに、生体サンプルを用いたin vitro実験、もしくは動物実験にて、センサ性能の検証を実施する予定である。
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