本研究では、日本において留学生を一定の割合以上受け入れている大学を対象として、それらの大学での留学経験が留学生たちの学業や生活にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることを目指した。とくに、近年、日本の大学において国際化は主要施策のひとつとして掲げられているが、そうした大学の国際化がどのように留学生たちにも影響を及ぼしているのかを明らかにすることで、今後の高等教育の国際化を考えるうえでの重要な示唆を得ることが目的である。研究の2年目である2020年度は、主に次の2つの作業を行った。(1)先行研究のレビュー:留学経験のインパクトに関する国内外の先行研究をレビューし、とくに個別の大学の事例研究に関して詳細な分析を行った。(2)オンラインによる大学訪問調査:新型コロナウイルス感染拡大を受けて、オンラインによる大学訪問を行い、国際交流・留学関係の担当者たちに対するインタビュー調査を行った。それらの成果にもとづき、現在、論文の執筆作業を進めている。また、初年度の研究(先行研究のレビューと事例分析)にもとづく論考をまとめ、論文として刊行した。
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