研究課題/領域番号 |
19F19013
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
浅見 靖仁 法政大学, 法学部, 教授 (60251500)
|
研究分担者 |
KITHINJI KINYUA 法政大学, 法学部, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
キーワード | ケニア / M-Pesa / 携帯電話 / 開発 / ODA / 送金 / 現金給付 / ICT |
研究実績の概要 |
2019年度前半は、法政大学市ヶ谷キャンパスの研究室を拠点にして、精力的に文献調査を進めた。その成果の一部は、5月18-19日に京都清華大学で開催された第56回日本アフリカ学会の学術大会で"The Political Economy of Mobile Money Exchange in Africa"というタイトルで報告した。2019年7月27日に東京大学本郷キャンパスで開催されたJapan Society for Afrasian Studies(JSAS)の第2回研究大会にも参加し、日本内外のアフリカ研究者と情報交換をするとともに、JSASのニューズレター2号に第2回研究大会についての報告も執筆した。 8月28-30日に横浜市のパシフィコ横浜で開催された第7回TICAD(Tokyo International Conference on African Development、アフリカ開発会議)の関連会合にも参加し、研究者だけでなく、政府間開発援助の実務担当者たちとも意見交換を行った。 2019年度後半には、10月2-30日と12月13日-2月24日の2回計103日間、ケニアで現地調査を行い、タンザニアの研究者との意見・情報交換も行った。ケニアでの現地調査では、University of Embuを拠点にして、Embu、Makueni、Kirinyaga、Machakoesの4つの地域において、各地区のキーパーソンへのインテンシブなインタビューと一般住民を対象とした調査票を使ったアンケート調査の両方を行い、M-pesa(携帯電話を使った送金サービス)の実際の使用状況とM-pesaの普及がそれぞれの地域の社会経済状況に与えている影響についての情報を収集した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ケニアでのM-pesaについての現地調査はおおむね順調に進めることができた。2019年度に行った現地調査によって、当初は簡便な送金手段として急速に普及したM-Pesaが、最近ではマイクロ・ファイナンスやマイクロ・インシュアランスとしての役割も本格的に果たすようになっており、その社会経済的インパクトはますます大きくなっていることが観察された。 ケニアでの現地調査は、University of Embuをベースにして行った。University of Embuの研究者は非常に協力的で、同大学の研究室の使用を許可してくれた。またタンザニアの研究者たちと交流する機会を得たことによって、タンザニアでもM-Pesaとほぼ同じようなサービスが急速に普及しつつあること、またタンザニアにおいて携帯電話を利用した金融サービスが地域社会に与えている影響にはケニアとの多くの共通点もある一方で、いくつかの重要な相違点があることもわかり、M-Pesaがケニアの社会経済的状況に与えている影響についてより深く理解する上で、隣国であるタンザニアと比較することが非常に有益であることもわかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度も、ケニアで現地調査を行う予定であるが、新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、現地調査を行うことができない可能性もある。研究の進展のためには、2020年度も現地調査を行うことが望ましいが、2019年度に行った現地調査で収集したデータだけでもある程度の分析はできるので、2020年度前半は、これまでに収集したデータの分析と論文の執筆に取り組むことにする。 2020年度後半に現地調査を行うことが可能になれば、特にM-Pesaが新たに行うようになったマイクロ・ファイナンスやマイクロ・インシュアランスのサービスがケニアの社会経済的状況に与えている影響について現地調査によってさらにデータを集め、タンザニアとの比較も行いながら考察をさらに深めたい。
|