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2019 年度 実績報告書

保型L関数と一般テータ対応

研究課題

研究課題/領域番号 19F19019
研究機関京都大学

研究代表者

市野 篤史  京都大学, 理学研究科, 准教授 (40347480)

研究分担者 CAI YUANQING  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2019-07-24 – 2021-03-31
キーワードL関数 / 積分表示
研究実績の概要

Caiは捻れたダブリング法の研究を行った。ダブリング法とは1980年代にPiatetski-ShapiroとRallisが発見した古典群の保型表現の標準L関数の積分表示である。これはWhittaker模型を使わないため、正則保型形式のL関数等に幅広い応用をもち、この40年間に数多くの研究が行われてきた。先行研究において、CaiはFriedberg, Ginzburg, Kaplanとともにダブリング法を一般化し(捻れたダブリング法とよばれている)、古典群が分裂するという仮定のもとで、古典群と一般線形群のテンソル積L関数の積分表示を与えた。

本年度の研究において、Caiは捻れたダブリング法において古典群が分裂するという仮定を外すことを目標とした。この分裂するという条件により、様々な計算を行列として書き下すことで実行することができていたが、この条件を外すと例えば四元数ユニタリ群のような古典群に対しては、具体的な計算を実行することは非常に困難である。そこでCaiは先行研究を抽象化することで、線形代数を用いて理論的に計算することができる枠組みを構築し、捻れたダブリング法の大域理論を一般の古典群に拡張した。さらにCaiは捻れたダブリング法のBrylinski-Deligne被覆群への拡張も行った。被覆群に対しても計算を行列として書き下すことは非常に困難である。しかし、捻れたダブリング法の抽象的な記述が可能になったため、CaiはBrylinski-Deligne被覆群の構造を圏論的に調べることで、この場合にも捻れたダブリング法の大域理論を確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

Caiによる上記の捻れたダブリング法に関する研究成果は、2本の論文としてとりまとめられ、プレプリントとして公表されている。これは当初の計画以上の研究の進展といえる。

今後の研究の推進方策

捻れたダブリング法もWhittaker模型を使わないため、正則保型形式のL関数等に幅広い応用をもつはずである。この視点の下、捻れたダブリング法の数論的応用、例えばL関数の特殊値の代数性を念頭に研究を推進する。

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公開日: 2021-12-27  

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