研究実績の概要 |
本年度、5、6、7員環を含む平面ナノカーボンの合成に着手した。入手容易なアズレンを出発原料に、前年度の軸不正ヘリカルナノカーボン合成の研究で見出したカップリング反応、脱水素環化反応を駆使することで、アセン骨格、五員環、七員環を持った新しい平面ナノカーボンの合成に成功した。本化合物はアズレン骨格とアセン骨格をもった化合物であり、高い平面性を有している。ベンゼン環のわずかな縮環様式の違いで、青、赤、黄、緑といった様々な色を呈していることがわかり、DFT計算によるHOMO,LUMO計算、サイクリックボルタメトリー測定による酸化還元挙動、モノカチオンのX線結晶構造解析などによって、基本的な物性を明らかにした。本研究に関して、現在論文にまとめる準備を行なっており、2021年度中の論文投稿を予定している。
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