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2019 年度 実績報告書

金属粒子を援用した嫌気性消化:家畜糞尿残留抗生物質の分解

研究課題

研究課題/領域番号 19F19106
研究機関神戸大学

研究代表者

井原 一高  神戸大学, 農学研究科, 准教授 (50396256)

研究分担者 ANDRIAMANOHIARISOAMANANA FETRA  神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
キーワード嫌気性消化 / 乳牛糞尿 / 抗生物質 / 金属粒子
研究実績の概要

畜産業で用いられる抗菌剤の中で,テトラサイクリン系抗生物質は抗菌スペクトルが広いこともあり使用量が多い抗菌剤のひとつである。近年,家畜糞尿を嫌気性消化によって,バイオガスと消化液に変換し,循環型畜産への志向が高まっている。家畜糞尿に抗生物質が残留すると,バイオガス化だけではなく消化液の液肥利用にも影響を及ぼす。テトラサイクリン系抗生物質は鉄イオンのような金属イオンと結合しやすいという性質を持つ。この特異的な性質を環境技術に応用した。本研究において,水酸化第二鉄,ヘマタイトそしてマグネタイトといった酸化鉄が,抗生物質を含む乳牛糞尿の嫌気性消化に及ぼす影響を検討した。研究の目的は、得られたデータから動力学的モデルを用いて解析し,抗生物質を含む家畜糞尿の嫌気性消化における鉄-抗生物質錯体形成の可能性を研究した。
使用する抗生物質の濃度,消化温度、有機物の負荷率など,理想的な実験条件を決定するために、予備実験を実施した。 第1段階として,予備試験の結果を考慮し,テトラサイクリン系抗生物質であるオキシテトラサイクリンとクロルテトラサイクリンの濃度や,デンプン,グルコース,カゼインおよび揮発性脂肪酸で構成される栄養源を含む有機物負荷を決定した。 バッチ実験を行い,実験データを統計およびモデリングツールを使用して解析した。 研究の第2段階として,液体の乳牛糞尿を基質として使用し、水酸化第二鉄,ヘマタイト,マグネタイトを金属粒子として用いて,オキシテトラサイクリンが残留する場合の影響を調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定した第1段階試験および第2段階試験を進捗させることができた。当初,添加した金属粒子を磁気力によってハンドリングさせることも計画をしていたが,3種類の金属粒子を添加して詳細なデータを収集したところ,一部の金属粒子は嫌気性消化に添加しただけでも,抗生物質阻害に有効である可能性がわかった。

今後の研究の推進方策

3種類の磁性粒子が乳牛糞尿の嫌気性消化に添加した場合の,抗生物質由来の阻害によるバイオガス化のモデリングを試みる。これらの金属粒子から溶出した金属イオンとテトラサイクリン系抗生物質との錯体形成を解析し,動物用抗菌剤の拡散防止や薬剤耐性菌の出現抑制に寄与するかどうか明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] pH-controlled Electrocoagulation and Magnetic Separation for Veterinary Antibiotic Removal from Livestock Wastewater2019

    • 著者名/発表者名
      Koichiro IWASAKI, Gen YOSHIDA, Fetra Jules ANDRIAMANOHIARISOAMANANA, Yasuzo SAKAI, Kazutaka UMETSU, Ikko IHARA
    • 学会等名
      ater and Environment Technology Conference 2019
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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