研究課題/領域番号 |
19F19318
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金子 昌信 九州大学, 数理学研究院, 教授 (70202017)
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研究分担者 |
PAUL BIPLAB 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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キーワード | Hecke 固有形式 / 符号変化 / Siegel モジュラー形式 / Ramanujan-Petersson 予想 |
研究実績の概要 |
サルナックらの尖点形式の零点とフーリエ係数の符号変化に関する研究を,受入研究者金子によるモジュラー形式の零点に関する研究とPaul氏のフーリエ係数の符号変化に関する研究の統合のためのプロトタイプとして,その統合を推し進める方向で研究を進めた.Paul氏は金子による零点研究の知見をもとに,やや意外な方向,すなわち,フーリエ係数の符号変化と,フーリエ係数の非零性を結びつけるという,古典的なLehmer予想に一つの進展をもたらす結果を得た.他にも二つの new forms を Hecke 作用素の固有値で区別するという,いわゆる重複度1の問題,また Siegel モジュラー形式に関する Ramanujan-Petersson 予想に関する研究についても多く議論を行い,一定の進展があった.重複度1問題についての成果は多岐にわたっており,技術的になるので詳述はしないが,例えばCM型の二つの Hecke 固有形式に対し,素数べきで符号変化が無限に起こるような素数の密度を考え,それによってCM体の区別がされるといった興味深い成果を得ている. Ramanujan-Petersson 予想については,Duke-Imamoglu-Ikeda リフトになっているような Siegel 尖点形式に対して予想が正しいことを証明した. 任意の偶数次数で成り立つこの結果は,この予想について大きな進展をもたらすもので,高く評価できるものである.さらには,Hecke 固有形式に付随するL関数の対数微分の1での値の上から,および下からの評価について,先行のIhara-Murty-Shimuraの結果を一般化する成果を得た.
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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