トポロジカルな端状態を持つSu-Sshrieffer-Heeger (SSH) モデルに非エルミートな外場をを時間周期的に加えた模型について、詳細に調べました。特に、非エルミート性にもかかわらず端状態の固有値が実数になる場合を探求しました。これはAndrew Harterの過去の2サイトのモデルに関する研究に基づくものです。成果はhttps://arxiv.org/abs/2006.16890に発表しました。 非エルミート化した量子系が注目を集めています。実験でも実現されるようになり、その得意な振る舞いが注目されて、研究発表論文数は急速に増加しています。いまや新しい分野を形成するに至っています。 SSH模型にPT対称性を加えることにより、トポロジカルな端状態がどのように変化するかが調べられましたが、端状態の固有値が複素数となり、不安定化することが示されていました。現実に安定的に存在して観測される状態としては、実固有値であることが望まれます。 本研究では、PT対称な非エルミート性を周期的に変化させることにより、実数固有値の端状態を回復できることを示しました。ただし、PT対称性を単にオン・オフするだけでは駄目で、PT対称性を反転するような周期外場が必要です。
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