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2020 年度 実績報告書

非対称性金属錯体多面体を用いた異方的多孔性ポーラスマテリアルの創成

研究課題

研究課題/領域番号 19F19346
研究機関京都大学

研究代表者

古川 修平  京都大学, 高等研究院, 教授 (90452276)

研究分担者 TROYANO JAVIER  京都大学, 高等研究院, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2019-10-11 – 2022-03-31
キーワード金属錯体多面体 / ソフトマテリアル / ルテニウム / ロジウム
研究実績の概要

ナノサイズ空間を有する分子である金属錯体多面体(MOP)を用い、自己集合化プロセスを制御することで、多孔性を有するソフトマテリアル(ゲルやコロイド粒子)を合成する研究は、空間機能と材料物性の相関という基礎的研究に加えて、空間材料のプロセッシングといった応用研究への展開にむけて大変重要である。 本研究では、MOP分子の非対称化に挑む。その課題は(1)基盤固定化によるMOPの非対称化、(2)非対称MOPの事後修飾法の確立、(3)非対称MOPの階層的自己集合化に よる異方性ソフトマテリアルの創出である。最終的には空間機能と材料異方性により、分 子・イオンを異方的に輸送する材料開発へとつなげる。
今年度からは、複数種の有機配位子を有するMOPの合成による非対称化のみならず、複数種の金属イオンを有するMOPの合成に向けて、ルテニウムを有する新しいMOP合成に着手した。昨年度までに成功したロジウムを有するMOPと合わせることで、混合金属イオンを含むMOPの合成へとつながる。ここでは、Ru2(COO)4の組成をもつパドルホイール型金属錯体が用いられるが、Rhは酸化数が共に二価であり中性のパドルホイール型錯体である一方、Ruは二価・三価の混合原子価状態でありカチオン性のパドルホ イール型錯体となる。本研究では、RhおよびRuのどちらにおいてもMOP構築できるイソフタル酸誘導体を検討し、実際に合成方法を確立した。その結果、新しく 2つの化合物の合成に成功した。イソフタル酸の5位にスルホン酸を有するRuMOP(SO3-RuMOP)、同様にヒドロキシル基を有するRuMOP(OH-RuMOP)である。単結晶構造解析や各種分光学的手法によりその構造を同定した。RhMOP が中性である一方で、RuMOP はカチオン性であり、カウンターアニオンとして BF4-を用 いた

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで合成が困難であったルテニウムを中心金属に有するMOPの合成に成功した。様々な条件検討の結果、用いる酢酸ルテニウム塩が重要であることがわかった。その結果、新しいルテニウムMOPを2種類新規に合成することに成功した。

今後の研究の推進方策

昨年度合成に成功した、ロジウムを中心金属に有するMOPと、今年度合成に成功したルテニウムを中心金属に有するMOPを同時に合成できる条件を検討し、混合金属イオンを有する非対称型MOPの合成と、その機能開拓について研究を行う。

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公開日: 2022-12-28  

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