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2020 年度 実績報告書

原子層における欠陥修復法の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 19F19368
研究機関名古屋大学

研究代表者

北浦 良  名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50394903)

研究分担者 CANTON VITORIA RUBEN  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2019-11-08 – 2022-03-31
キーワード二次元結晶 / 有機無機ハイブリッド / 機能化
研究実績の概要

原子層の欠陥修復を念頭に、さまざまな有機官能基を化学気相成長法を用いて成長した原子層の単結晶に対して行った。MoS2やWS2などの単層構造にたいして、チオール基をもつ分子を反応させたところ、いくつかの例では発光強度が反応前に比べて強くなることを確認した。これは、チオール基がS欠陥に付加することによって欠陥が修復されたことを示していると思われる。同時に行ったラマン分光の結果は、この解釈と矛盾しない。さらに、単純なチオール基をもつ分子だけでなく、より巨大な分子、ウイルスの抗体も同様の手法でMoS2やWS2に固定化することができることも明らかとした。これらは当初予定していなかった展開であるが、抗原抗体反応を介したウイルスセンサーへもつながる結果として期待される。実際、単層MoS2をチャネルとした2端子デバイスを作製し、抗体を固定化してからウイルス検出特性を調べたところ、pg/ml程度の濃度の抗原を検出することができることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定していた欠陥修復についてある程度の結果が出たと同時に、当初予定していなかったウイルス抗体の固定化からセンサー機能の実証までを行うことができた。以上から、当初の計画以上に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

化学修飾を基盤とした欠陥修復をすすめると同時に、当初の予定にはなかったウイルスセンサーについてもデバイス構造の最適化とセンサー特性の調査を進めていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Unveiling the Photoinduced Electron‐Donating Character of MoS 2 in Covalently Linked Hybrids Featuring Perylenediimide2021

    • 著者名/発表者名
      Sideri Ioanna K.、Jang Youngwoo、Garc?s‐Garc?s Jose、Sastre‐Santos ?ngela、Canton‐Vitoria Ruben、Kitaura Ryo、Fern?ndez‐L?zaro Fernando、D'Souza Francis、Tagmatarchis Nikos
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition

      巻: 60 ページ: 9120~9126

    • DOI

      10.1002/anie.202016249

  • [雑誌論文] Stabilization of metallic phases through formation of metallic/semiconducting lateral heterostructures2020

    • 著者名/発表者名
      Canton-Vitoria Ruben、Hotta Takato、Liu Zheng、Inoue Tsukasa、Kitaura Ryo
    • 雑誌名

      The Journal of Chemical Physics

      巻: 153 ページ: 084702~084702

    • DOI

      10.1063/5.0012782

  • [学会発表] Optical properties of Zn-porphyrin covalently bounded to MoS2 and WS22021

    • 著者名/発表者名
      Ruben Canton-Vitoria, Ryo Kitaura
    • 学会等名
      The 60th Fullerene Nanotube Graphene General Symposium

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公開日: 2021-12-27  

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