研究課題
本研究はピレンやヘキサアザトリフェニレン等の共役骨格を基盤とし, ラジカルイオンの安定化を目指した合成および得られたラジカルイオンの電荷輸送特性評価を行うことを基本的な研究指針として研究を実施してきた.ピレンやヘキサアザトリフェニレン等の共役骨格を基盤としたホスホニウム基導入によるラジカルイオンの安定化を目指した合成を達成できたこと,また得られたラジカルイオンの電荷輸送特性評価についても十分な成果が得られたことを踏まえ,3回対称性を有するπ共役系分子集合構造中における電荷・スピン輸送材料を包括的に調査する研究として取りまとめを進めた.HATを中心とした aminobenzothiazoleユニットの対称導入に加え,ジピロール骨格を徹底的に電子不足とし,そのラジカルアニオン・ジアニオンを安定的に取り出して相補イオンとの対構造を結晶構造解析法により明らかとした.また,トリイミド構造を有する新しい電子不足3回対称性共役分子骨格を設計し,これを分光分析を中心にした基本的なキャラクタリゼーションの後,光電流計測法・マイクロ波伝導度測定法により,その固体構造中の電子伝導特性の評価を行った結果,結晶構造中に存在する2次元集積構造が電子輸送パスとして決定的な役割を果たすことを明らかとした.HATを中心に進めてきたこれまでの研究を,その誘導体並びに新規骨格開発と合わせて大きなテーマとして展開し,これらをまとめた論文として発表した.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Chem. Sci.
巻: 13 ページ: 1594-1599
10.1039/d1sc06070h
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