研究課題/領域番号 |
19F19379
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
石原 大輔 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (80363399)
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研究分担者 |
RAMEGOWDA PRAKASHA 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-10-11 – 2022-03-31
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キーワード | エネルギーハーベスティング / マルチフィジクス / マルチシステム / 連成解析 / 階層的分解 / FPED |
研究実績の概要 |
圧電効果により,潮流の機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するエネルギーハーヴェスティングでは,圧電,構造,流体の間のみならず,機械と電気のサブシステム間にも強連成が生じる.このようなマルチフィジクス・マルチシステム強連成現象の解析手法は見当たらず,共振などの基本的メカニズムでさえ詳細が明らかにされていない.そこで本研究では,申請者らが提案する階層的分解により,2現象間の強連成に対する有限要素解析や電気回路シミュレーションなどの多様な数値解法を統合したマルチフィジクス・マルチシステム強連成解析手法を開発し,エネルギーハーヴェスティングの高精度かつ効率的な解析を実現する.さらに本手法を用いて,モデルシステムにおける共振特性を解明し,新しいエネルギーハーヴェスティングシステムを探索する. 研究実施計画に沿って,以下の研究成果を得た:Ⅱ.階層的分解によるマルチフィジクス・マルチシステム強連成解析手法の開発を行う.エネルギーハーヴェスティングシステムでは,FPEDと電気回路が強連成する.ゆえに階層的分解をシステム間の連成に拡張することで,マルチフィジクス・マルチシステム強連成解析手法を開発する:(a)マルチフィジクス・マルチシステム強連成解法の構築…FPEDと電気回路との間の連成条件式(電位と電荷の連続式)を厳密に定式化したのち,それに基づき,分離型解法を用いて,FPEDと電気回路に分離する.さらにFPEDに生じる圧電‐構造‐流体強連成に階層的分解を適用し,Ⅰのマルチフィジクス強連成解析手法を利用する.(b)実験的検証…理論解や既存の数値結果が存在しないため,実験的検証を行う.FPEDの実験的研究グループとともに,FPED‐電気回路強連成モデルを提案し,その実験結果と本数値結果を比較する.この結果,研究発表に示す研究成果(9件の雑誌論文,5件の学会発表)を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に示すように,本年度の研究実施計画に沿って,研究成果を十分得たから.
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今後の研究の推進方策 |
本研究では,申請者らが提案する階層的分解により,2現象間の強連成に対する有限要素解析や電気回路シミュレーションなどの多様な数値解法を統合したマルチフィジクス・マルチシステム強連成解析手法を開発し,エネルギーハーヴェスティングの高精度かつ効率的な解析を実現する.さらに本手法を用いて,モデルシステムにおける共振特性を解明し,新しいエネルギーハーヴェスティングシステムを探索する.
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