研究課題/領域番号 |
19F19401
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
西村 訓弘 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 教授 (30402689)
|
研究分担者 |
BHAGAT JACKY 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2019-11-08 – 2022-03-31
|
キーワード | 環境 / ナノプラスチック / ゼブラフィッシュ / 発生毒性 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
本年度は、蛍光ラベルしたマイクロプラスチックとナノ粒子をゼブラフィッシュに投与し、その生体毒性を評価した。マイクロプラスチックは直径40 nm(ナノプラスチックサイズ), 1 μmのものを、ナノ粒子は50, 500 nmのものを検討し、評価項目は蛍光ラベルしたマイクロプラスチックの体内蓄積に加え、発生段階における生存率・催奇率、運動機能異常を解析した。その結果、マイクロプラスチックの腸管内の蓄積および心臓周囲浮腫や体幹の屈曲などの異常を認めた。この成果の一部およびこれまでの文献をまとめ、1報の国際論文を発表した。さらにナノ粒子に加え同じく環境問題となっているアゾール系化合物とナノプラスチックのゼブラフィッシュ試験、次年度研究計画に含まれていた酵素活性(superoxide dismutase, catalase)測定の一部、網羅的遺伝子発現解析もすでに開始した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究成果に関連し、すでに1報の国際論文(IF = 5.6)を発表し(Bhagat J, Zang L, Nishimura N, Shimada Y. Zebrafish: An emerging model to study microplastic and nanoplastic toxicity. Sci Total Environ. 2020;728: 138707)、さらにナノ粒子に加え同じく環境問題となっているアゾール系化合物とナノプラスチックのゼブラフィッシュ試験も行った。現在その成果の一部を論文準備中である。そして、次年度研究計画に含まれていた酵素活性(superoxide dismutase, catalase)測定の一部、網羅的遺伝子発現解析もすでに開始している。以上より、現在の進捗状況は計画より進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
マイクロプラスチックおよびナノプラスチック、さらにそれらと化学物質のコンビネーションによるゼブラフィッシュへの影響について、superoxide dismuta se (SOD), catalase (CAT), glutathione (GSH), glutathione S-transferase (GST), lipid peroxidation (LPO), glutathio ne peroxidase (GPx)等の活性を指標に評価する。また次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子発現解析(RNA-seq)を行い、免疫や発生に与える作用メカニズムを解析する。
|