研究課題/領域番号 |
19F19406
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
岡本 章玄 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (70710325)
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研究分担者 |
MIRAN WAHEED 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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キーワード | バイオフィルム / 電気化学 / 二次イオン質量分析 / 電気細菌 / 膜小胞 |
研究実績の概要 |
細菌集団が作り出すバイオフィルムは、細菌による嫌気鉄腐食や感染症の原因であるが、物理的な除去以外の対策が未だ難しいという課題がある。本研究は、膜小胞(MV)と呼ばれる脂質二重層膜で作られた100ナノメートルサイズの生物学的ナノ粒子をバイオフィルム内へと薬剤を輸送するためのキャリアーとして用いる技術の確立へ向けた基礎的研究を行う。本研究の特徴としては、その際にバイオフィルムを形成する細菌が生成する電流を細菌活性のバロメーターとして利用する ことである。本年度は、ハイスループット電気化学系において各ウェル内のバイオフィルムを培養する手法を開発し、薬剤ライブラリのバイオフィルム由来電流への効果を測定した。一般的な薬剤に比べて数倍の効果を示す薬剤も見つかっており、開発した手法によって今後より多くの薬剤の効果をスクリーニングすることが可能となる。薬剤をバイオフィルム内部へ運ぶためのリポソームの合成手法も確立したことに加えて、均一な膜小胞を分泌する微生物を見出しており、その脂質やタンパク質組成を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
バイオフィルムに対して効果のある薬剤の選定がハイスループット電気化学系の導入によって大きく加速された。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き薬剤の選定を行い、選定した薬剤を膜小胞への薬剤の封入を行いリポソームとの効果の比較を行う。病原細菌に加えて鉄腐食細菌のバイオフィルムに対しての効果を電気化学に加えて生化学的な解析を用いて進める。
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