研究課題/領域番号 |
19F19746
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
沈 力 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (90288605)
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研究分担者 |
BI XIAOYAN 同志社大学, 文化情報学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-10-11 – 2021-03-31
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キーワード | Denominal Adjective / 文法化 / 語彙化 / HAVE / little verb |
研究実績の概要 |
異文化理解に基づく日中両言語の語彙研究は共同研究の課題であるが,今年度は脱名詞形容詞構文(Denominal Adjective Construction)の意味構造を中心に,日本語と中国語の対照研究を行う。中国語の名詞が述語になる場合、コピュラ“是(BE)”が必要とされるが、“我很中国(ぼくはとても中国的だ)”、“這個女人相当狐狸(彼女は相当狐っぽい)”、“他比警察還警察(彼は警察より警察的だ)”のように、“是”がなくても述語になる現象が見られる。一方,日本語では,名詞が形容詞化するためには,訳文からわかるように,「-的」や「-っぽい」のような形容詞接尾辞が必要である。それでは,①中国語ではどんな名詞がDACの述語を担えるのか。日本語ではどんな名詞が「-ぽい」の語幹を担うことができるのか。また,②DACが生成される認知的メカニズムはなにか。本研究では、DACの意味構造を中心に、日本語と中国語の対照研究を行い、その生起条件と意味構造を明らかにすることを目的とする。 研究成果は下記の通りである。①日本語では,名詞の形容詞化が接辞「っぽい」が後続することによって実現されるのに対して,中国語では,HAVE [PROPERTY N]というlittle verbが先行することによって形成されることを判明した。②日本語の「っぽい」は,名詞を形容詞化する機能が基本的であるが,一方,VPに後続して推測を表す。それに対して,中国語のHAVEは,名詞を目的語としてとる機能が基本的であるが,一方,その名詞を抱合してしまって形容詞化する機能もある。 ★日本語: [A Nっぽい] →文法化→ [VP PHRASEっぽい] ★中国語: [VP HAVE NP] →語彙化→ [A HAVE-N]
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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