研究課題/領域番号 |
19F19750
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐川 宏行 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (80178590)
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研究分担者 |
FEDYNITCH ANATOLI 東京大学, 宇宙線研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-10-11 – 2022-03-31
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キーワード | 最高エネルギー宇宙線 / Telescope Array宇宙線観測所 / Pierre Auger宇宙線観測所 / 宇宙線の伝播モデル / 宇宙磁場 / 空気シャワー / 質量組成 |
研究実績の概要 |
「最高エネルギー宇宙線はどこからやってくるか」は宇宙物理学最大の謎のひとつである。そこで外国人特別研究員とともに、最高エネルギー宇宙線のエネルギー・到来方向と発生源候補との相関解析を行った。 これまで発生源候補との相関を解析する場合に、あるエネルギー閾値を設定して、到来方向のみを考慮していたが、(以前に本科研費で招聘した)F. Capelは宇宙線のエネルギーと到来方向を両方パラメータとして使う新解析方法を考案した。当該年度では本科研費でK. Watanabeを招聘して、北半球のTelescope Array宇宙線観測所で取得した宇宙線空気シャワーデータに対して初めてこの新方法で解析を行った。また南半球のPierre Auger宇宙線観測所の宇宙線データの解析も行い、さらにそれらを含めた初めての全天解析に向けた準備を行った。それまでは、一番軽い陽子宇宙線のみを考え、宇宙線の地球までの伝播も簡易なエネルギー損失モデルを用い、また宇宙磁場による宇宙線の到来方向の変化もガウス曲線に従う分布で不規則に広がる効果しか考えていなかったが、われわれは、陽子宇宙線に加えてそれ以外の粒子(質量組成)の場合や、宇宙線が宇宙空間を伝播する際の効果も外国人特別研究員が開発に深く関わっている、より詳細な効果を考慮したCRPROPAという宇宙線の伝播モデルを用い、さらに我々が住む天の川銀河の磁場モデルを含む、より精密な宇宙磁場を考慮するなど、新しい試みを行った。preliminaryではあるが、その発生源に関して新たな知見が得られており、現在、査読論文出版に向けて、結果をまとめている。 その他、外国人特別研究員は空気シャワーシミュレーションコードの整備および最高エネルギー宇宙線の近隣分野の研究を行い、マルチメッセンジャー的な宇宙物理学の理解の進展に寄与した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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