研究課題/領域番号 |
19F19757
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
植田 滋 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80359497)
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研究分担者 |
LI BAISHUN 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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キーワード | 高温融体 / 粘度 / 固液共存スラグ / 物質移動 |
研究実績の概要 |
各種金属合金の高温溶融精錬プロセスでは、ベースメタルおよび希土類元素の歩留まりや精錬工程での反応効率の向上が望まれる。精錬で発生する酸化物であるスラグとメタル間の反応を決定づける金属液滴エマルジョン生成現象や元素の混合挙動を明らかにし、混合による反応促進および分離を制御する方法を物理化学的観点から明らかにすることを目的に、溶融金属粒子が固体を含んだ酸化物融体に取り込まれる現象の解析を進める。溶融酸化物を想定した気液混合体中の粒子の挙動を観察できる冷間モデルを作成し、流動を確認する手法を構築する。このモデルを用いて、金属個体を冷間融体中に入れ沈降現象及び沈降速度を測定する。沈降速度から見かけの粘度が導出できるが、固液共存融体中では回転法による見かけ粘度と異なる値となることが予測される。 その差を系統的に測定することで、粘度の明らかな多相高温融体中での金属粒子移動速度を導出する方法の基礎データとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
室温において固液共存スラグと金属液滴を模擬できる物質の探査を行い。比重及び動粘度の観点からシリコーンオイル系とPE系プラスチック微粒子による固液共存スラグ模擬、また、精錬におけるスラグ-メタル系比重差からステンレス系の微小球が金属液滴模擬に適していると判断した。ここでシリコーンオイルとプラスチック微粒子の比重はほぼ等しく、数分間の実験時間中でのPE粒子浮上による分離は観察されない。実験条件として、スラグの組成や冷却条件による差を冷間実験に反映することを目的に、シリコーンオイルの粘度、共存するプラスチック粒子の混合率を変化した。このように選択した系を用いてスラグ中の粒鉄を想定したφ1-2㎜粒子の沈降挙動を撮影し、映像から定常沈降速度を導出した。速度をもとにストークス則から完全液相を想定した粘度を導出することが出来た。また、同様の系に対する回転粘度計による測定事例を入手し、同一の固液相に対する落球法および回転法による評価粘度を比較する準備が出来た。おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きシリコーンオイル系とPE系プラスチック微粒子による固液共存スラグ模擬した実験により、精錬におけるスラグ-メタルのエマルジョン生成および分離挙動に関する検討を行う。これまでに行ったシリコーンオイルの粘度、共存するプラスチック粒子の混合率を変化に加え、プラスチック微粒子の平均粒度を変化した条件の測定を行う。 得られた実験結果をもとに、固液相に対する落球法および回転法による評価粘度を比較し、系統的にその差を明らかにする。スラグ‐金属間のエマルジョンの生成および分離には金属の沈降挙動が重要であるが、高温融体である、これらスラグ、金属融体の粘度は回転粘度計による測定データに限定されるため、回転粘度法による固液共存スラグ系から導出された見かけ粘度から粒鉄などのスラグに取り込まれた金属融体粒子の移動抵抗及び沈降速度導出すること必要があった。本測定と回転粘度法で得られた見かけ粘度の差を高温スラグに添加し、固液共存スラグ相内における金属微粒子の移動速度を見積もる方法を探査する。
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