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2019 年度 実績報告書

Mg-希土類系合金の微細組織と力学特性

研究課題

研究課題/領域番号 19F19775
研究機関東京大学

研究代表者

阿部 英司  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70354222)

研究分担者 GUAN KAI  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2019-11-08 – 2022-03-31
キーワードMg合金 / 電子顕微鏡 / 微細組織 / 元素偏析 / 溶質クラスタリング
研究実績の概要

Mg合金は,次世代の軽量構造材料として期待されており,希土類を微量添加した合金はその優れた特性から注目を集めている.我々は,組成をわずかずつ変えたMg-Gd合金(Mg-3at.%Gd, Mg-6at.%Gd)を作成した.これらGd原子は粒界に偏析することで粒界破壊を抑制し,その機械特性を向上させることが分かっているが,そのメカニズムは未だ十分に解明されていない.我々はこれら合金を圧縮変形し,電子顕微鏡により変形組織をミクロンスケールから原子スケールに渡って系統的な観察を行った.Gd量の増加に伴って,その強度が上昇することを確認した.またこれらの合金中には双晶変形が顕著に生じており,粒界よりも双晶界面への顕著なGd偏析が確認された.現在,その詳細構造を解析中である.さらに,本Mg-Gd合金は高温での圧縮変形時に,応力-歪み線図に特異なセレーション挙動を示すことが分かってきた.これら高温変形された微細組織についても予備的な観察を行い,やはり双晶界面への顕著なGd偏析が確認された.
上記の結果は,双晶変形における双晶界面と溶質Gd原子との(比較的)強い相互作用を示唆しており,特に高温変形時には双晶界面移動に伴う溶質ドラッギング機構が発現していると考えられる.粒界と比較して,双晶界面構造のモデル化は容易であることから,双晶界面の偏析構造を決定し,それをモデルとする第一原理計算によって界面エネルギーの評価が可能となる.これをもとに,偏析が界面強度の向上にどのように寄与しているのか,の理解を深めていく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

10月に博士研究員として着任以来,試料作成,電子顕微鏡実験ともに順調に進展している.

今後の研究の推進方策

双晶界面における偏析構造の電子顕微鏡観察,およびそれら構造の詳細解析を進める,決定された構造モデルを第一原理計算により評価し,Gd原子の偏析がなぜ界面構造の強化につながるのか,そのメカニズムを微視的な視点から検討を進める.

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公開日: 2021-01-27  

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