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2019 年度 実績報告書

若年血漿を用いたアルツハイマー病治療研究

研究課題

研究課題/領域番号 19F19776
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

渡辺 恭良  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40144399)

研究分担者 ZHANG KAI  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2019-10-11 – 2022-03-31
キーワード認知症 / 若年血漿 / マウス / 生体イメージング / PET
研究実績の概要

アルツハイマー病(AD)は認知症を主とし脳内にアミロイド斑と神経原線維変化の病理的特徴を持つ神経変性疾患であるが、未だ病因は不明であり、病状を改善する治療法は存在しない。本研究では、ADの治療法の一つとして期待されている若年血漿注入療法に着目し、その有効性を調べるための動物基礎研究を行う。先行のAD病態モデルマウスを用いた研究では、同系野生型マウスの若年血漿を複数回投与により、ADの病理所見である脳内アミロイド斑や過剰リン酸化タウ蛋白の増加、シナプス数の減少を有意に抑制した。しかしながら、これらの知見は安楽死後に摘出された脳組織検体を用いた知見であり、特に病状が改善に至る過程は不明のままである。本研究では陽電子放出断層撮影(PET)による生体イメージング手法を用い、若年血漿投与による脳機能の変化を同一個体で追跡し、改善機序について検証する。最初にADモデルマウスへの若年血漿投与療法研究の一環として、老齢の野生型マウス(50-60週齢)に対し若年血漿投与し、老化に伴う認知機能低下に対する脳機能の変化を調べたるため、覚醒下での[18F]フルオロデオキシグルコース(FDG)によるPETイメージングを行った。その結果、老齢マウスでは若年血漿の複数回投与により大脳皮質の認知機能に関連する領域で変化が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

老齢の野生型マウスに対する若年血漿投与による脳機能イメージングの結果から認知機能に関連する領域での変化が認められた。この事から、認知障害時のみならず、正常時での老化に伴う認知機能の低下に対しても効果があることが推測され、今後進める若年血漿投与によるADマウスの脳機能変化を予測する結果が得られたため。

今後の研究の推進方策

ADマウスの脳機能イメージングも実施し、同一個体の行動実験データとの相関解析から行動と脳機能との関連性を明らかにする。また、イメージング実験後に採取された脳組織標本から神経細胞数、シナプス構造等を免疫組織化学染色にて顕微鏡観察やシナプス関連蛋白の変化を調べる。この若年血漿療法の効果をin vitro条件下でも再現するため、Neuro2aやHCN-2の神経細胞に対し若年血漿を添加し、神経細胞への影響、特にシナプス伸展・形態への変化も調べる予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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