研究課題/領域番号 |
19F19788
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研究機関 | 千葉大学 |
受入研究者 |
小川 幸春 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (00373126)
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外国人特別研究員 |
ZHANG CHUANG 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2019-11-08 – 2022-03-31
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キーワード | 糖質食品 / 加工操作 / 加熱処理 / デンプン / タンパク質 / 消化性 |
研究実績の概要 |
白米や白パンに代表される精製された糖質食品の恒常的な摂取が2型糖尿病のリスク要因とみなされるなど,食品の加工操作に起因する健康問題が顕在化して久しい.通常,食品に対する加工操作は,美味しさをはじめ保存性や消化性など付加価値の向上を目的としている.しかし上述のような健康に関わる問題が顕在化している現在では,健康機能性向上のための付加価値創造が急務となっている.本課題では,デンプンとともに抗酸化性物質や健康機能性に関わる多糖類を多く含有するヤマノイモ科などTuber系塊根類の作物に焦点を当て,その加工方法や程度が糖質の消化性に及ぼす影響を検討する.同時に消化過程における抗酸化活性の変化をin vitroで構築した模擬消化系で評価し,加工操作が消化性に及ぼす影響を明らかにする.これにより糖質消化性と健康機能性を考慮した加工方法,程度の探索が期待できる.2020年度はナガイモを加熱処理した場合の糖質,タンパク質消化性の変化を検討した.合わせて加熱方法の違いによる理化学特性,消化性の変化も調査した.その結果,加熱温度がタンパク質の消化特性に関係することが判明した.そこで2021年度は加熱温度を段階的に調整して糖質消化性,タンパク質消化性を調査する.加熱温度は2020年度と同じく複数段階(80, 120,200℃等)に設定し,得られた加熱処理サンプルをin vitroの模擬消化系で消化処理する.消化過程で生じる消化残差に含まれる糖質,タンパク質を見積もることで加熱温度と消化性の関係を調査する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度開始より新型コロナウイルスによる社会状況変化が生じてキャンパス閉鎖などの問題はあったものの,研究計画通りに進展している.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は加熱時の温度をより幅広く設定できるよう油揚げおよびマイクロ波加熱など100℃以上に設定可能な加熱方法を適用し,加熱温度とタンパク質消化性の関係を調査,検討する.実験結果を継続的に解析するため,サンプルには市販のナガイモを用いる.加熱温度は2020年度と同じく複数段階(80, 120,200℃等)に設定し,得られた加熱処理サンプルをin vitroの模擬消化系で消化処理する.消化過程で生じる消化残差に含まれる糖質,タンパク質を見積もることで加熱温度と消化性の関係を調査する.これらの試験によって,加熱温度がナガイモの糖質消化性,タンパク質消化性に及ぼす影響を解明する.糖質の理化学性変化の評価にはX線回折装置を使用する.タンパク質の分析にはLC/MSを使用する.
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