本研究の目的は、スポーツを楽しむことが日本の高校生のウエルビーイング(幸福感)に与える影響を、ポジティブ心理学のPERMA(ポジティブ感情,物事への積極的な関わり,他者とのよい関係,人生の意味や意義の自覚,達成感)モデルを用いた質問紙調査と半構造化インタビューによって明らかにし、その国際比較を行うことである。近年の日本スポーツ界においては、スポーツ参加者の参加のあり方、指導する側の指導のあり方が問題となる事例が多発している。オリンピックやワールドカップ等の国際的な競技会を開催したわが国におけるスポーツのあり方が大きく問われている。こうしたなか、そもそも楽しむことを目的としたスポーツ参加が青少年のウエルビーイングに及ぼす影響を、わが国の高校生を対象とした調査によって明らかにし、すでにニュージーランドにおいて実施されている調査結果と比較した。これにより、日本の高校生がスポーツ参加から彼ら彼女らの人生にどのような影響を受けているのかが浮き彫りにされるところに本研究の意義がある。 スポーツ部活動を行っている高校生158名を対象に、PERMAモデルを用いた質問紙調査を、その回答者から無作為に抽出した20名に追加質問紙調査を実施した。 本研究の結果、スポーツ参加には「他者との関係」、「向上しようとする意識」が大きく関与していることが明らかとなった。 本研究の研究成果は研究論文として国際研究誌に投稿されており、現在査読中である。
|