研究課題
光の高速性を利用した飛躍的な情報処理を可能にする新奇な光機能性材料を開発することを目指し、テルライトTeO2にイオン性酸化物Na2Oおよび共有結合性酸化物ZnOを導入したガラスに着目し、その高い非線形光学特性や、添加した希土類イオンの高効率発光の起源となるガラス構造を、あいちシンクロトロン光センターBL5S2ビームラインの20.0keV(波長λ= 0.62Å)X線源にてX線全散乱データを測定した。2θ範囲は0.004~132.49°、散乱ベクトルの大きさQ(=4πsinθ/λ)の範囲は0.007~18.5Å^(-1)で、生データはバックグランド、コンプトン散乱の補正を行い、組成から求められる平均原子散乱因子<f>及びその2次相関関数<f^2>を用いて散乱データS(Q)を得た。さらにフーリエ変換を施し二体間分布関数G(r)を求めた。S(Q)データからはZnO濃度xが増加するとともにQ~2付近にある第1ピークが低Q側にシフトすることが分かった。また、その右側にあったピークはZnO濃度xが高くなると減少し、イオン性のNa-O結合が共有結合性のZn-Oに置き換わることにより、構造が大きく変化していることが示唆された。二体間分布関数PDFでは1.9ÅにTe-Oの相関が見られ、ネットワーク構造がTeO2からなることを確認した。以前に得られたZn-EXAFS実験結果からZn-O距離は1.96Åから1.99Åに増加することが明らかになっている。このことを反映して、第1ピークは若干長距離側へシフトしたことが分かった。第2ピークは3.5~3.6Åに存在し、ZnO濃度増加とともに短距離側に移動している。これはTe-TeそしてTe-Zn相関に相当するものと考えられ、ZnO濃度が増加するとともに、ZnOがガラスネットワークに組み込まれてTe-O-Zn結合が生成したことが分かった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (3件)
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