本研究は、グルタミン酸受容体であるNMDA受容体やその他の膜受容体の生細胞や脳内での局在や機能解析、機能制御を目指して、受容体選択的なケミカルラベル戦略の開発とその応用を目指すものである。3年度は、これまでに標的とした癌細胞などで主要なシグナル伝達を担う重要な膜受容体の一つであるEGFRの選択的なケミカルラベル化剤の合成を続けた。合成できたラベル化分子を試験管や細胞系でテストした結果、システインを有する天然型EGFRにはある程度の効率で化学修飾がかかるものが見つかったが、真の標的である変異タンパク質に対して、十分な反応効率をもつ化学修飾ラベル化剤は見出せなかった。
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