本年度の研究実施計画に基づき、以下の研究を進めている。 1)検出器組み上げ時に、検出器部材からの不純物を除去する為のベーキングをおこなった。液体導入時には、不純物を取り除く為にゲッターを使用し、また、一度液体キセノンを検出器に導入した後、ふたたび回収作業を行い、再度導入を行うことによりキセノンの純化を行った。その後、検出器の調整作業にはいった。これにより純度が高く、シンチレーション光の透過率が高い状態で調整作業をできるメリットがある。 2)ラドンを除去するシステムを完成し、試験を行った.ガス中のラドンの量が3mBq/m^3以上ならば有効にとりのぞけることが判明した。今後ラドンの量を実データに基づき評価を進め、その結果に基づき適用する。 3)較正装置の調整作業を行った.その後、57Coや241Amなどの放射線源を用いた較正作業を開始した。装置は期待通りに動作し、有効なデータ収集が進められている。 4)電子回路や高圧電源をデータ収集システムとして組み上げ、データ収集ソフトを完成させた。これにより順調な調整用のデータ収集が進められている。 5)予備データの収集用の磁気ディスク装置の納入が若干遅れたが、データの予備収集を行うことができた。 予備データを用いて検出器のバックグラウンドの評価を開始した。 このように、若干の遅れは生じたものの、測定器の調整作業が行われており、来年度の本格観測にむけ、順調に準備作業が進んでいる。
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