研究課題/領域番号 |
19GS0205
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鍵 裕之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (70233666)
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研究分担者 |
山室 修 東京大学, 物性研究所, 准教授 (20200777)
上床 美也 東京大学, 物性研究所, 准教授 (40213524)
近藤 忠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20252223)
奥地 拓生 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (40303599)
佐々木 重雄 岐阜大学, 工学部機能材料工学科, 准教授 (30196159)
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キーワード | 中性子 / 高圧 / 水素 / ダイヤモンド / 地球惑星 |
研究概要 |
本研究計画では、人類未到の圧力領域における中性子回折実験を実現するため、新しい高圧発生装置の開発と、高圧力下に置かれた微小体積試料に中性子を絞り込むための中性子光学系の開発を並行して行う。特に今年度は、圧力発生に用いるナノ多結晶ダイヤモンドの加工技術の開発に力を入れた。ナノ多結晶ダイヤモンドはもっとも硬度の高い物質で、その加工は困難を極める。我々は種々のパルスレーザーを用いたダイヤモンドの切削、研磨加工を試行した。その結果、ナノ秒ならびにフェムト秒のパルスレーザーを用いて、ナノダイヤモンドの表面を1ミクロン以下の平滑度で加工できることがわかった。加工断面はFIBによって薄膜試料を切り出し、透過電顕を用いて観察を行った。単結晶ダイヤモンドとナノ多結晶ダイヤモンドとではレーザー加工断面に顕著な差がみられた。これらの違いは、ナノ多結晶ダイヤモンドが単結晶ダイヤモンドと比較して一桁近く熱伝導度が低いことによりレーザーパワーが局所的に集中すること、そしてナノ多結晶ダイヤモンドには碧海面が存在しないことなどが起因していると考えられる。また、パルス中性子を1mm程度の空間に集光し、さらに得られる回折パターンの分解能を0/5%以下に維持することができる中性子集光ミラーをシミュレーションによって最適化し、設計を行った。この設計を元に、ミラーの試作品を発注し、一般ユーザーに公開されているJ-PARCのビームラインでミラーの性能をテストし、我々の設計の正当性を評価してゆく。さらに今後はこれらの知見を元に、高圧ビームライン用の長尺中性子ガイドミラーの設計と製作を行う予定である。
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