研究分担者 |
土屋 和雄 京都大学, 工学研究科, 名誉教授 (70227429)
門内 輝行 京都大学, 工学研究科, 教授 (90114686)
富田 直秀 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (50263140)
横小路 泰義 京都大学, 工学研究科, 准教授 (30202394)
青柳 富誌生 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90252486)
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研究概要 |
本研究では,ヒトの認識活動が醸しだす複雑な関係性について,外界あるいは環境に対する適応行動を記号過程として捉え直す.すなわち,生体やヒトの認識行動の主体が,内部・外部との相互作用を経て動的に関係生成を行う過程を明らかにし,この記号が使われる際の解釈用法のゆらぎによってシステムがどのように動くかについてのダイナミズムを明らかにすることが目標である.以上の目標達成に向けて,まず初年度は,記号過程の数理モデルを構築し,生体細胞実験,シミュレーション実験,ロボット実機実験を通して,さまざまな人間活動や生命活動における記号過程の構成論的解明を行い,記号過程を内包した人工物システムの設計を行なうための研究を開始した.研究開始とともに,申請時点の5つのサブテーマからなる研究組織を以下の3つのサブグループに再編成した.まず環境適応機械の設計論では環境に適合する自律行動機械における記号過程の分析を行い,ロボットの適応的行動の獲得と選択的実現の観点から記号過程の基本動力学について明らかにした.またロボットへの動作の教示方法について,人間-ロボット間の対話の記号過程について研究を行った.人を内包する適応環境の設計論では,ヒトの生活行動空間の設計と生産行動の改善活動,人間機械協調系の記号過程について明らかにした.特に,生活行動の記号過程としての記述,歩行実験による都市景観の解読,人と機械が協働するための適応環境の設計論,組織活動における作業変容の記号論的プロセス分析について研究を遂行した.生体の記号過程の数理モデルでは,生体細胞や神経繊維のネットワークにおける記号過程の解明を行なった.特に,生命機能進化と生体環境設計,神経ネットワークのダイナミカルな記号生成と操作的神経科学による情報表現の解明について研究を遂行した.
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