研究課題
学術創成研究費
中性子を用いた基礎物理学における測定精度は、あと1桁から2桁の測定精度の向上が新しい物理の足がかりになると期待されて久しい。しかし、過去半世紀にわたって中性子ビームの強度そのものの伸びは殆ど無いと言って良い。しかし、パルス中性子源強度の100倍の増強がJ-PARCによって間もなく実現する。さらに、最近の中性子光学の飛躍的な発展は、磁気光学による精密なスピン制御や、多層膜干渉計を用いた重力などの研究の道を開いており、増強された中性子源を組み合わせることによって新たな知見に到達できる。これは物質中のナノスケールの秩序状態や低エネルギー励起の精密測定等にも質的な変化をもたらす。中性子光学を基軸として基礎物理学と物質科学の双方において、従来の測定限界を打ち破ることを目指す。ビーム分岐・集光及び中性子スピン光学を用いた中性子崩壊の高精度測定、多層膜中性子干渉計を用いた地球重力による中性子位相の精密測定、中性子散乱断面積の精密測定による中距離相互作用の精密研究、さらに超冷中性子を用いた電気双極子能率の高精度測定に向けた中性子制御技術の基礎研究を行う。これらの基礎研究の成果は、大強度陽子加速器研究施設(J-PARC)における中性子光学基礎物理ビームライン(NOP)の建設に集約し、その成果を物質研究の手段として応用する。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (14件) 備考 (4件)
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