研究課題/領域番号 |
19GS0219
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江口 徹 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (20151970)
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研究分担者 |
佐々木 節 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (70162386)
杉本 茂樹 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, その他(特任教授) (80362408)
白水 徹也 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10282716)
高柳 匡 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, その他(特任准教授) (10432353)
向山 信治 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, その他(特任准教授) (40396809)
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キーワード | 超弦理論 / ランドスケープ / インフレーション / Dブレーン / 双対性 / AdS/CFT / 初期宇宙 / 高次元 |
研究概要 |
1.江口はK3上にコンパクト化された超弦理論がMathieu群M24の対称性をもつことを調べた。理論のtwisted Genusのカスプにおける振る舞いから対応するMathieu群の元のeta積に関係することがわかり、moonshine現象のひとつの理解がえられる 2.佐々木は、弦理論的ランドスケープによると我々の宇宙は偽真空の崩壊のバブルの中にある負曲率の開いた宇宙であるため、近い将来宇宙の曲率がわずかに負であることが観測的に検証された場合には、重力波揺らぎのスペクトルが弦理論的ランドスケープに制限を与えることを示した。 3.杉本は、SO(N)やUSp(2n)をゲージ群としてもつ超対称性のないゲージ理論の間に双対性が成り立つことを弦理論に埋め込むことで示し、それを用いてクォークの閉じ込めを定性的に理解できることを議論した。 4.白水は、超弦理論は高次元時空を予言するが、その時空の光的無限遠方の漸近構造の解析を行い、漸近的対称性がポアンカレ群になることを任意の次元で示した。また、静的ブラックホールの超弦理論的なヘアの有無について摂動的に解析を行い、電磁場以外の高階反対称場が存在できないことを示した。 5.高柳は、AdS/CFT対応を、共形場理論が境界を持った時空に定義されている場合に拡張し、g定理が一般の次元へどのように拡張されるか予想した。また、AdS/CFT対応の古典重力極限において、フェルミ面を持った系は必ず非フェルミ液体になることを量子エンタングルメントの観点から証明した。 6.向山は、新しい量子重力理論(Horava-Lifshitz理論)に基づく宇宙論をgradient expansionの方法を用いて調べ一般相対性理論への極限が連続的になっていることを示した。
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