研究課題
学術創成研究費
生体は,食物および酸素の内包する毒性やそれらの過不足に由来するストレスに対して,適切に応答して恒常性を維持している。これまでの解析によって、このようなストレスに対する防御系は、遺伝子の発現レベルで制御されていることが明らかとなっている。本研究は,環境ストレスに応答して転写制御が行われる際のセンサー機能の分子機構を明らかにすることを目的として、以下の2つのテーマで研究を実施している。(1)Nrf2-Keap1システムによるストレス感知機構および同システムと発癌との関連性の解析:Keap1は、酸化ストレス・親電子性毒物に対するセンサー分子として機能し、転写因子Nrf2の活性化を制御している。Nrf2とKeap1のセンサーとしての分子機能を構造学的手法で明らかにする。また、これら分子のマウス個体での評価系を確立し、Keap1のセンサーとして重要なシステイン残基の個体においての重要性、Nrf2の機能ドメインの解析を実施する。また、Keap1-Nrf2システムの疾患との関連を明らかにする。(2)エリスロポエチン(Epo)遺伝子制御機構と低酸素感知機構の解析:低酸素に応答して遺伝子発現が誘導されるEpo遺伝子の制御機構を、大腸菌人工染色体を用いたトランスジェニックマウスの手法を用いて解明する。特に、腎臓でのEpo遺伝子の発現に注目し、その細胞特異的転写制御機構、産生細胞の同定、及びその株化を試みることで、新規の低酸素応答機構を解明する。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件)
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