研究課題
学術創成研究費
細胞内には、タンパク質の品質を厳正に管理するためのシステムが存在する。特に分泌タンパク質や膜タンパク質の合成の場である小胞体には、分子シャペロンをはじめとしたタンパク質の productive folding を促すシステムと、一方でミスフォールドしたタンパク質を適正に処理するための分解促進システムが存在する。後者のシステムは小胞体関連分解(ERAD)機構と呼ばれ、ミスフォールドしたタンパク質を認識する因子、誤ったジスルフィド結合を開裂させる因子、サイトゾルへそれら基質を逆輸送するための因子など、幾つかの小胞体タンパク質が必須の因子として関与している。本研究による主な成果として、1)ERAD において重要な働きをする還元酵素 ERdj5 の結晶構造が明らかになり、基質がどのような分子間を受け渡されて分解にいたるのか、その一連の経路を明らかにした、2)従来、糖タンパク質の品質管理機構については研究が進んできたが、非糖タンパク質の ERAD 機構として、まったく新しい経路の存在することを明らかにした、3)productive folding によって新生タンパク質が正しく合成される過程で、小胞体内の酸化還元酵素(oxidoreductase, OR)によるジスルフィド結合形成は必須のプロセスであるが、小胞体内レドックスネットワークについて研究を行い、主要な酸化酵素 Ero1a から PDI、ERp46 などの OR にいたる酸化カスケードの存在を明らかにした。
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Molecular Cell
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