研究課題/領域番号 |
19GS0317
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
野田 昌晴 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 教授 (60172798)
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研究分担者 |
檜山 武史 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 助教 (90360338)
新谷 隆史 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 助教 (10312208)
藤川 顕寛 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 特別協力研究員 (50414016)
渡辺 英治 基礎生物学研究所, 神経生理学研究部門, 准教授 (30250252)
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キーワード | 神経科学 / 脳・神経 / 生理学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 |
研究概要 |
1)NaレベルセンサーNa_Xを発現するグリア細胞から神経細胞への情報伝達機構の解明 Na_XとNa^+/K^+-ATPaseが物理的、機能的にカップルしていることを見出すとともに、細胞外液のNaレベルの上昇に応答してグリア細胞の嫌気的糖代謝活性が上昇し、その結果産生される乳酸が脳弓下器官においてはGABAニューロンを活性化することを明らかにした。 2)抗利尿ホルモン産生制御機構の解明 脳弓下器官のニューロンのうち、脱水状態において活性化するものの多くが、抗利尿ホルモン(バソプレッシン)の産生部位である視索上核と室傍核に投射することを見出した。 3)浸透圧センサー分子の解析 浸透圧センサーの候補分子TRPV1とTRPV4の各遺伝子欠損マウスの飲水行動を解析した。マウス脳室内へ高張液を注入し、直後の飲水量を測定したところ、野生型マウスに比べ、両遺伝子欠損マウスの飲水量の増加は有意に少ないことが確認された。 4)高Na血症患者の病態生理の解析 高Na血症を発症した患者についてNa_Xとの関連を解析した。この患者は、副腎近傍の神経膠腫を発生し、それを摘出した病歴を有する。Na_X遺伝子については異常が認められなかったが、腫瘍摘出前に採血した患者の血清中にNa_Xに対する抗体が確認された。
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