絶縁体や金属に添加された希土類元素の発光機能や磁気機能は良く知られており、蛍光体や希土類磁石として既に実用化されている。ここでは、いずれも発光機能、磁気機能という独立した、単一の機能が用いられている。また、これまでの希土類材料研究は経験に基づく試行錯誤の形態であり、希土類添加に関する精密制御(添加サイトや周辺局所構造)やエネルギー伝達機構の理解によるマテリアルデザイン的思考が欠落しており、十分に希土類元素の特性を活用しているとは言い難いのが現状である。 本研究では、半導体へ原子レベルで制御して添加された希土類元素を研究対象とし、希土類元素特有の発光機能や磁気機能は勿論のこと、それらを融合した新機能性を開拓する。また、それを活用した新機能デバイスの創出可能性を明らかにする。一方、そこで得られたマテリアルデザイン的知見を基にして、安定で高効率な希土類添加窒化物半導体からなる新規蛍光体の創製を目指す。
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