研究課題
奨励研究
本研究では、聴覚に障害をもつ歯科技工士養成学校である本校生徒を対象に、歯の彫刻課題において、見本となる歯の模型と同一形状になるように彫刻した彫刻物との互いの形状誤差を、タブレット端末に三次元データとして提示する視覚的フィードバック資料の有効性について調査した。結果、介入後の生徒の彫刻物の完成度が短時間で向上し、今後の彫刻でも活用したいという回答を得たことから、本指導法の有効性が示唆された。
歯科技工士は歯科医療の一端を担う医療技術専門職であり、入れ歯や歯の被せ物等を作成・加工する仕事である。本研究で有効性の示唆された指導法は、聴覚に障害がある生徒への教育におけるICTを活用した新規性のある視覚的指導法として他の技術科目や職業指導科目へも応用できるものであり、歯の彫刻技術の習得・向上に寄与するだけでなく、ひいてはその技術が、歯科技工士として就労する中で生かされていくことで、日本の長寿高齢化社会における歯科医療を支え、人々の健康と幸福に貢献することへ繋がると確信している。
社会科学(特別支援教育関連)