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2019 年度 実績報告書

抗癌剤による心血管臓器合併症を予防できる既存医薬品の探索・開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H00341

研究代表者

濱野 裕章  徳島大学, 病院, 薬剤師

研究期間 (年度) 2019
キーワードOnco-cardiology / FAERS / ドラッグ・リポジショニング
研究実績の概要

抗癌剤の飛躍的な進歩による治療成績の改善が癌患者に延命という利益をもたらした。その一方で、癌サバイバーにおける癌治療に関連した心血管臓器合併症が大きな問題となりつつある。近年、腫瘍循環器学(Onco-cardiology)の概念が確立され、抗癌剤治療に伴う心血管臓器合併症を克服するための機序解明と治療法の開発は喫緊の課題となっている。本研究では、抗癌剤治療に関連する心血管臓器合併症の予防につながる治療戦略を確立することを目的とし、大規模医療データベースを用いた既存薬剤から新たな有効性を探索するドラッグ・リポジショニングを行った。データベースの一つである米国食品医薬品局(Food and DrugAdministration : FDA)に集積された薬剤副作用報告症例(約1000万例)の大規模データベース(FDA Adverse Event Reporting System : FAERS)を用いてシスプラチンやドキソルビシンといった抗癌剤では心血管臓器副作用の発症リスクが高率である結果が得られた。これらの抗癌剤と併用された薬物のうち、心血管臓器副作用の発症リスクを低下させる薬物の抽出を行い、抽出された薬物を抗癌剤による心血管臓器障害を予防できる可能性を有する候補薬として、基礎解析を行った。抽出された薬物には既報でアントラサイクリン系の心毒性に対する予防効果が示唆されているカルベジロールも含まれていた(J Am Coll Cardiol(2006), J Am Coll Cardiol(2018), J Cardiovasc Pharmacol(2017))。培養血管細胞および心筋細胞を用いて抗癌剤による細胞死を候補薬物が抑制できるかスクリーニング作業を行い、現在、心毒性モデルマウスにこれら薬物を投与し、その有効性の確認を行っている。本研究によって、医療データベースと基礎研究を組み合わせることで、効率的に心血管臓器合併症を予防する薬剤のドラッグ・リポジショニングが可能になると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Proton pump inhibitors block iron absorption through direct regulation of hepcidin via the aryl hydrocarbon receptor-mediated pathway2020

    • 著者名/発表者名
      Hirofumi Hamano, Takahiro Niimura, Yuya Horinouchi, Yoshito Zamami, Kenshi Takechi, Mitsuhiro Goda, Masaki Imanishi, Masayuki Chuma, Yuki Izawa-Ishizawa, Licht Miyamoto, Keijo Fukushima, Hiromichi Fujino, Koichiro Tsuchiya, Keisuke Ishizawa, Toshiaki Tamaki, Yasumasa Ikeda
    • 雑誌名

      Toxicology Letters

      巻: 318 ページ: 86-91

    • DOI

      10.1016/j.toxlet.2019.10.016

    • 査読あり
  • [学会発表] プロトンポンプ阻害剤はへプシジンを介して鉄代謝異常に関与する2019

    • 著者名/発表者名
      濱野裕章、池田康将、堀ノ内裕也、合田光寛、座間味義人、桐野靖、中村敏己、寺岡和彦、石澤啓介
    • 学会等名
      第29回日本医療薬学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡)

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公開日: 2021-01-27  

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