免疫抑制薬タクロリムスは、血液中においてそのほとんどが赤血球に局在する。しかしその詳細な機序は不明な部分が多い。本研究では、タクロリムスの赤血球への局在を制御する因子について検討した。 赤血球局在の制御因子としてFK506結合タンパク質(FKBP)に着目した。ヒトより採取された血液から、赤血球を分離・培養した。培養環境を調整した赤血球に対しタクロリムスを暴露させ、培養液から赤血球への薬物移行を定量的に評価した。 検証の結果、赤血球内でのFKBPとの結合はタクロリムスの細胞内蓄積に関与しており、赤血球外におけるFKBPとの結合はタクロリムスの細胞内移行を制御していることが示唆された。
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