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○研究目的:シクロホスファミド(CPA)は乳がん治療におけるKey drugであるが、副作用として口腔粘膜炎の発現頻度が高い抗がん剤の一つである。点滴投与されたCPAは唾液中にも排泄されるが、唾液中濃度と血漿中非結合型濃度は相関することや、CPA投与により唾液腺などの口腔内環境が変化することなどが報告されている。従って、唾液中CPA濃度が高いと、口腔内の組織障害性が高くなり口腔粘膜炎を起こしやすくなることが推測されるが、この点に関する検討は行われていない。そこで本研究では、唾液中のCPA濃度と口腔粘膜炎との関連について評価することを目的として研究を行った。 ○研究方法:前向き観察研究とし、金沢大学附属病院 乳腺外科においてCPAを含む術前もしくは術後補助化学療法が施行される乳がん患者を対象とした。唾液中のCPA濃度や炎症性サイトカイン(IL-6)濃度と口腔粘膜炎との関連性について調査した。本研究は、金沢大学医学倫理審査委員会の承認を得て実施した。 ○研究成果:15例が解析対象となり、口腔粘膜炎の発現率は47%であった。唾液中のCPA濃度(中央値±SD)は、口腔粘膜炎発現群が 34.8(±10.1)μg/mL、非発現群が 29.3(±7.6)μg/mLと、有意な差は認められなかった(p = 0.643)。また、唾液中IL-6濃度についてベースラインからの変化量(中央値±SD)は、口腔粘膜炎発現群が -4.0 pg/mL(±321.2)、非発現群が-3.1(±4.5) pg/mLと、有意な差は認められなかった(p = 0.643)。さらに、口腔粘膜炎発現群と非発現群に分類し、病期や治療開始時の臨床検査値などの各患者背景について比較検討したが、有意な差を認めた項目はなかった。 〇研究の結論:唾液中のCPA濃度と口腔粘膜炎との関連性は示されなかった。今後より詳細な検討が必要である。
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