研究課題
奨励研究
複数色の蛋白質性蛍光Ca2+センサーを多種の血清型アデノ随伴ウイルスベクターで作製し、作製方法の条件検討、発現を試みた。同時に、特定神経細胞での発現を可能にするため、細胞種特異的プロモーターや誘導調節可能な構造を持つベクターの構築を試みた。続いて、マウス脳に、これらを利用することにより、同一領域で複数色のCa2+センサーを発現させる系の検討を行った。
神経発火が細胞内Ca2+濃度を上昇させることから、近年、蛋白質性蛍光Ca2+センサーを用いて、脳の神経活動を計測する手法が利用されている。そこで、本研究で検討した複数色のCa2+センサーを同一部位のそれぞれ異なる特定の神経細胞で発現させる系を利用し、同時計測することができれば、各神経細胞の活動、ネットワークを、高感度で検出、可視化することが可能になると考えられる。さらに、このことは、行動、記憶のメカニズムを解明するのに、非常に有用なツールとなることが期待される。
神経生化学